元&現証券マンが記す転職記

元&現証券マンが示す今後のキャリアのカタチ

フロービジネスからストックビジネスへ

こんばんは、Sです!

 

今回は、証券会社の国内リテール部門の将来について個人的に思うことを書いてみようかなと。

 

株式発行や起債など、直接金融市場を通して資金調達をしたい企業側と、自分の資産を投資対象で運用しリターンを得たい投資家。両者をマッチングさせる役割を担っているのが証券会社であり、国内リテール部門は後者、投資家に株式や債券、投資信託等を販売し売買手数料で収益をあげるというのが仕事です。超ざっくり言うと。

 

1986年12月から1991年11月まで続いたバブル絶頂期、証券会社の店頭には行列が出来るくらい証券業界は活況していました。

今では想像しづらい状況が起こっていた理由は主に二つ、①株を買えば必ず儲かるほどに市場が過熱していたこと、②投資についての情報(例えば、今何の銘柄を買えば儲かりそうか)が、証券会社でしか手に入らなかったこと、だと思います。

 

で、今後はどうか。

①市場は成熟期を迎え、「貯蓄から投資へ」「少子高齢化」を背景に、下の世代への継承を見据えた金融商品による長期的な資産形成が必要になってきた、②格安な手数料で売買できるネット証券やインターネットの普及により、情報は瞬時に正確にどこからでも手に入る、という時代。

 

資産を回転させ売買手数料を得るというフロービジネスから、コンサルタントとしてアドバイスフィーをもらい、お客さんの人生観や家族構成、適合性を背景としたニーズに応えられる、資産管理の方法を提供するといったストックビジネスに転換していくであろうと思います。(信用取引やオプションなど、高リスク高付加価値商品も手段の一つとして、一定数ニーズは今後もあると思われます。)

 

市場価値の高いリテールの証券マンを目指すのであれば、経済知識だけでない、税制や保険など資産管理を取り巻くすべての知識を習得して包括的に提案し、付加価値を生み出す人にならなければいけないと感じます。単純にA銘柄の売却とB銘柄の買付の手続きは今後AIでも出来るので。(IPO等引受商品の販売部隊なんかはのこるかもしれませんね。)

 

金融業界のプロとしてのキャリアを積むのであれば、そういった未来を見据えたうえでの覚悟は必要だと思います。併せて、それが自分の興味ある、やりたい仕事なのかどうか。

 

あくまで私の個人的に思うことを綴った記事ですし、未来どうなるかなんて誰にも予測は出来ませんが、そういう思考を止めないことが重要かなと思っております。

 

参考になれば!