元&現証券マンが記す転職記

元&現証券マンが示す今後のキャリアのカタチ

証券マンの短所

こんばんは、Sです!

 

前回は証券営業をしていて得られたスキルについて書きましたが、今回は他の業界業種と比べ得られていないと思うスキルについて、恥ずかしながら書いていこうかなと思います笑(金融の国内リテール営業で働く若手に限ってですが・・・)



①資料作成能力(エクセル、パワポ等)

 金融、特に銀行や証券の営業マンはお客様に金融商品を提案する際の資料について、法律上必要事項が記載された広告審査済のものを使用しなければなりません。よって、基本的に自分の手で資料を作成するという場面は皆無です。お客様に提供すべき情報が載っている資料を様々な部署から取り寄せることはありますが、一から自分の手でつくるということはしないので、資料作成能力は他の業界に比べ劣っているのかなと思います。(支店内の数値管理でちょろっとエクセルを使うくらいです)



②プレゼンテーション能力

 ①に付随しますが、いわゆる多勢の前で自身の企画をプレゼンし稟議を通す・・・なんて場面もありません。相手が法人の場合でも話す相手は代表者か担当者、多くて3人くらいかなと。お客様、会社、自身の実績のためにどう行動するかは基本的に個人プレーであり、短く簡潔に自身の考えを多勢に伝える場面はほぼありません。



③組織マネジメント力

 ベンチャーやスタートアップだと、若いうちから数十人規模の、自分より年上のほうが多いんじゃないかというようなチームを率い活躍するような話も聞きますが、それも大手の金融機関だとまずありえません。数人の後輩に業務を教えることはありますが、先ほども書いたように私たちの仕事は究極個人プレー。それぞれに役割が与えられチームで成功を目指す形とは違い、次席から若手まで業務内容は同一、その集合体がチームの成果となるのです。(その代わりセルフマネジメントはすごく大事ですが。)



④事業体つくり

 これも当たり前ですが、大企業の組織が収益を上げる為の仕組み、そういった大きな枠の中で考えた時、自身が担っている役割はほんの一端。先行投資をしてサービスを生み出し顧客に還元、その対価としてお金を得るという一連の流れを一挙に担う、ということは当然ながらありません。



転職の面接時、自身の強みをアピールすることは大変大事だと思います。ただ、本当は何をしたいのか、どう成長したいか、納得できる答えを自分の中で見つける作業では、その入口で短所を認識することのほうが実は早いかもしれません。

自分の短所をあぶりだす時には、「本来こういう能力があれば良かったな・・・」という自身の本能的な想いが軸にあるかもしれないからです。

 

是非ご参考に!

 

証券マンになって得られたスキル

こんにちは、Sです!

 

気づいたら、久しぶりの記事になってしまったのですが・・・

今回は、約3年証券リテールの仕事をして得られたスキルについて、振り返ってみようかなと思います!



①一般的な経済知識

 これは間違いなく、他の業界で働いた場合よりも深く身についただろうなと。

「米国の金利が上がれば債券価格は下がり、為替は円安になる。」

こんな文章が例えば日経新聞に載ってた場合、学生時代の私はなんで???となっていました。

ちなみに、金利が上昇(下落)すれば債券価格は下落(上昇)することを知ってる人は、世の中の20~25%ほどしかいないと何かの本で読んだような気がします。

 世の中のマネーの流れを認識するうえで必要不可欠な知識は習得でき、何より将来自身のお金を管理するうえで非常に大切なスキルだろうなと思います。



②基礎的なBSの見方

 証券マンになってまず始めにやる仕事は、未上場法人やそのオーナーを中心とした新規開拓。運用ができる余力がありそうか、継続的に接触するべき対象先かを見極めるため、その企業の財務諸表を見て分析することから始まります。どこに何が書いてあるか、株主資本とは何か、のれんとは何か・・・といった基本的な知識は身につけられたかなと。

東芝が数千億円規模の減損を計上したのは、、のれん代が当初の見立てより大幅に膨らんだことが原因だったと認識できていれば、基礎的な知識はあるのかなと思います。



③対顧客折衝能力

 よく言われることですが、これもある程度身についたかなと。お客様の背景や趣向を知り、話すことより話を聞くことが超重要。売り込みではなく、お客様の困った!を解決するためのコンサルティングを軸に、提供する商品を考える。社会人共通の必要不可欠なスキルではないでしょうか。



④目標に対する強烈なコミット意識

 これは証券特有の文化です、多分。笑 

自分の仕事に対し強くこだわりを持つ(持たせられる?)環境の中に常に身を置けることは、人によっては良いことかもしれません。どんな組織でも結果の責任はトップが負いますが、プロセスの責任はメンバーが負わなければならない。つまり「今120%の力で取り組めていますか?」「絶対にできますか?」を考えることはプロとして当然で、意識しなくてもそういう考え方ができるようになれば、その人の強みにはなるのかなと。



改めて振り返ると、金融の営業出身者は得られたことはすべて土台の部分で、キャリアを変えもっと技術的なスキルを積み上げようとするならば、早ければ早いほど良いような気もしますね。



是非参考に!

 

営業

こんばんは、Sです!

 

本日は、「営業」というものについて思うところを書いてみようかなと。

 

みなさんは「営業マン」というものにどういうイメージをお持ちでしょうか。

明るい人、話がうまい人、社交的で人脈の広い人・・・。

 

私も実際に営業の仕事を始めるまでは、社会でいわゆる営業の出来る人についてそういうイメージを抱いていました。

 

で、いざ営業の仕事をして気づいたこと、それは

「営業とは話をすることではなく、話を聞くこと」だということです。

 

証券の営業は、よく異性を口説くのと一緒だと例えられることがあります。

誕生日はいつなのか、相手の性格や好みを理解しようとし、どんな時間を提供すれば喜んでもらえるのか。

そして、それらを知るには相手の話をよく聞かなければなりません。

 

私は実際にお客さんとの面談時間のうち、80%以上は相手の話に耳を傾けるように意識しています。

こちらが提供するサービスがいかに役立てるかを上手く伝えることより、相手が何に困っているのかを深く考えることのほうが重要だと思うからです。

 

そのような行動をもとに、自分の会社とお客さんのニーズをマッチングさせ、三方よしを実現することが営業マンに求められると思います。



スタートアップやベンチャー企業が第二、第三創世期で事業を拡大しようとする局面では営業マンは必ず必要です。

自分が強みとする「営業力」というスキルを言語化する、その気づきになればと思います!

主体性

こんばんは、Sです!

 

今回は、「主体性」について思うところを書いてみようかなと。

 

今私が働いている会社でも、若手の育成は経営における重要課題の一つであり、大企業ならどこでもそうだと思います。

そして、上司が新人や若手に、「主体的に行動しろ!」と言っているのをよく耳にします。

 

結論から言うと、私は会社で主体性を教えるというのは不可能だと思っています。

若手が心の底から腹落ちして仕事の意味を理解し、なんのために仕事をしているのかが自分の中で明確であれば自然と主体的になれるし、そうでなければ受け身になる。

 

何事に対しても主体的に取り組めば人生が豊かになることは間違いないのですが、もしそうでなければ、私は環境を変えるか考え方を変えるかの2択しかないと思っています。

 

その人の性格や人生背景を理解しようとし、そういった選択をするための「気づき」を与え続けることが、社会において若手に対する本当の教育なんじゃないかと思うのです。

 

環境

みなさんこんばんは、Rです!

 

いわゆる総合職での採用をされた方なら、いつかは経験するであろう、異動に関して思うところを述べたいと思います。

 

私もSも、共に異動を経験しておりますが、やはり一番感じるのは、異動を経験すると、同じ会社の同じ業種とは言えど、大きく違いを感じることがあります。

 

異動をすることで何が変わるか。具体的に、主なものとして以下のことが挙げられるでしょう。

•上司が変わる

•同僚が変わる

•顧客が変わる

当然で、自明です。では、それに付随して何が変わるか。仕事や会社に対する既存のイメージすら、大きく変わることがあります。

転職した友人に聞いても、各転職エージェントのアンケートでも、転職理由として大きく挙げられるものは、大きくは「人間関係」に関するもの、「やりがい」に関するもの、「評価」に関するものの3つに大別されるように思います。

その中でも、「人間関係」に関するものが圧倒的に多く、おおよそ50%以上がこれに該当します。

 

私自身、社内での人間関係が悪化した時に仕事のパフォーマンスも低下し、それがやりがいの無さに繋がるという経験があります。読者の皆さんはいかがでしょうか?自身の置かれた環境が整わないと、仕事に対して真正面から向き合えません。

特に営業職の方々であれば、「リレーション構築」というスキルのプロであるはず。社内でのリレーション構築すら出来ていないかもしれないという事実に向き合うことには、少しでもプライドをお持ちであれば、認めたくない事象であると感じます。その事実から目を逸らしたいがために、「やりがい」を感じられない、であったり、「自身の評価」が悪い、であったり、別の理由を探してしまいがちになってしまいます。

 

それが、異動を経てどうなるか。人間関係を含む環境の変化に対し、これまでと同じ仕事に対して、考えはどのように変わるでしょうか…。

 

これから異動を経験される皆様、すでに経験されている皆様が、環境の変化が仕事に対する考え方を変えるかもしれない、ということを考えるきっかけになればと思います。

 

 

転身

こんばんは、Sです!

 

今回は、今までの職から全く違う異業種へ転身することについて考えてみようかなと。

 

金融業界でキャリアアップされている方で特に専門性の高い人たちは、日系外資問わず転職を繰り返していることが多いですよね。

その時々で企業側からヘッドハンティングされたり、やりたいことのチャンスをつかみにいく、あるいは専門性をさらに高める自身の成長のために環境を変える等、様々な背景があるのだと思います。

 

そしてその裏側にあるものは、一つの分野に集中した専門スキルを身につけ、生涯自身の労働生産性を維持しているということだと思います。

 

で、これからの世の中で自分の労働生産性を高めるために。

 

私は、もちろん前述したように、一つの専門スキルを高めることも大変重要だと思います。

ただそれ以上に、AIの登場やテクノロジーの進化のペース、成長産業が目まぐるし変わる社会においては途中で専門スキルをがらっと変更し(例えば金融出身の人がITを一から勉強する等)、労働生産者としての汎用性を高めることが必要なのかもしれないとも感じます。

 

年始のSMAPの記事で書いたように、あれもこれもできるような人になり、一人ポートフォリオとしてボリュームアップしていく。

そのためには、固定観念にとらわれない思考や変化に対する適応能力、大胆な行動力が求められると思うのです。



なんか、自分がもやもやしていることを書いた記事になりましたが(笑)、ご参考に!

トップセールス

こんばんは、Sです!

 

本日は、私が証券国内リテールを経験していて感じる、いわゆる「トップセールス」の定義について書いてみようかなと。

 

「トップセールス」と聞いてみなさんはどんな人を思い浮かべるだろうか。

数字が出来る人?

月末になって苦しいときに、必ず大きな商いを決めてその支店のヒーローのような存在になる人?



話は変わって、「保有の商品が値下がり、見込みがないので他の商品に入れ替えてください。」という提案をしたときのこと。

「君は自分のお金じゃないから簡単にそんなことが言えるんだ!実際に投資している私にとっては、とても勇気がいることだよそれは!」と怒られるということは、証券マンであれば誰もが経験したことがあると思います。

 

確かに自分のお金じゃないからこその提案かもしれないが、証券マンの本質的な価値はその部分にあると思うのです。

自分が主役でない、あくまでわき役。自分は責任を負っていないアドバイザリーとして、お客様に「判断の機会」を提供する。お客様の発想にはなかった、「別の道を選ぶ機会」を提供する。



結果的にさらに悪い方向へ向かい、信頼を失う可能性もある。ただ真のトップセールスとは、自分が責任がないからこそ生み出せる付加価値を認識している人だと思うのです。



なのでもし、今後証券マンから自身で新規事業をガンガン立ち上げるようなベンチャー等に転職した場合。

仕事を前に進めるうえで必要な判断や勇気が、わき役か主役かで違うギャップに最初は戸惑うかもしれない。

 

皆さんも、現在身を置く業界で「仕事が出来る人」の定義を一度考えることも、キャリアを変えるうえでのリスクとリターンがより明確になるかもしれないですね!